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メンテ費用10万円〜リーンロゼの名作ソファ『トーゴ』を張り替えに出した結果

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推定15年は経過しているであろうリーンロゼ『トーゴ』



発売から40年を超えても古さを感じない、名作ソファのひとつリーンロゼ『トーゴ』。
3階建ての狭い我が家で、極力大きく、ゆったりできるソファを探し求めて新居に迎え入れました。
このトーゴ最大の特徴は、硬いフレームが一切なく高密度のウレタンでできていること。

そんな名作ソファですが、年月が経過したらどんなソファも、メンテナンスが必要になってきます。
トーゴは、その特殊さゆえに、購入前からメンテナンスをどうしたら良いのか?と気にされている方もたくさんいらっしゃると思います。

今回は、家具修理専門業社さんにトーゴの張り替えとウレタン補充のメンテナンスに出しました。
その結果は大満足。
気に入ったソファをメンテしながら長く使っていくよさを実感することができたので、ソファの張り替えについて記事にまとめておきます。



お試しのつもりで中古でトーゴを買ってみた

張り替え前のリーンロゼ トーゴ
Before 中古で購入後3年が経過してかなりやれたトーゴ 推定ですが15年程度経過しているはずです


張り替え後のリーンロゼ トーゴ
After 張り替え後のトーゴ 想像以上の雰囲気になりました


さて、家具の中でもソファは、それなりに高額な部類に入ると思います。
こだわりがあればなおさらのこと。

フレームを備えたソファの購入を諦め、目をつけたのはリーンロゼのトーゴ。
ウレタンでできているから、大きな3人掛けのソファでも、階段を通って2fリビングに無理なく搬入できるのです。
他にも名作といわれるソファはありますが、長く使っていくためにはメンテナンスのことも考えなくてはなりませんから、搬入搬出も無理なくできるというのが絶対的な条件だったのです。

新品の購入ももちろん考えていたのですが、安い買い物ではありませんし末長く使っていくソファ。
大きなソファを置きたいけれど、狭い我が家には、厳しい条件をクリアしなければなりません。
無理なく搬入搬出ができるか?ということに始まり、三人用がいいのか?部屋に無理のないサイズか?頻繁にソファを使うのか?など、慎重に考えたいと感じることもたくさんありましたし、張り替えなどのメンテナンスが気になります。

張り替えなどの費用は、ウレタンの補充も必要になってきますし、選ぶ生地のランクによって大きく変わってきますが、正規に依頼すると軽くソファを購入できてしまう程度の金額になります。

ロゼのソファはどれも座り心地抜群でしたが、気になっていることは実際に部屋に置いてみないとわかりません。必要なら新品で買い直してもいいというつもりで試しに中古のトーゴを購入。


張り替え前のリーンロゼ トーゴ



中古で購入からほぼ3年が経過し相当痛みが目立ってきました。
実際に3年間使用して、トーゴの三人掛けが我が家にはぴったりだと感じました。
改めて新品を購入かメンテに出すか悩みましたが、家具修理店さんに張り替えとウレタン補充をお願いすることにしました。

トーゴの価格や張り替え

張り替え前のリーンロゼ トーゴ



リーンロゼのトーゴは、購入時に生地を選び注文するので、同じトーゴでも使用する生地によって価格が大きく変わってきます。
もっとも安価に購入したいなら、正規店でのアウトレットを利用する方法。
好みのカラーや生地を選ぶことはできませんが、展示などに使用されたトーゴが20%off〜30%off手前程度で購入できます。

もし、欲しいサイズ、カラーのトーゴがあれば、こういったものを購入するのが良いでしょう。

一方張り替えなどのメンテナンス費用は、正規で張り替えなどを依頼すると、このアウトレット価格とメンテナンス費用が同じぐらいになるという感覚でいればよいでしょう。
張り替えといっても、ほぼオーダーメイドでソファを作ってもらうのと同じこと。
その手間を考えたら、大量生産品を買い換えていったほうが安上がりなのは間違いありません。

さて、メンテナンスに目を向けてみると、家具の修理専門業者が、トーゴ、ブリガンタンなど、リーンロゼのソファの張り替え、ウレタン補充を取り扱っている業者さんがいくつかあります。
規定の生地を使う明朗会計でメンテナンスを行っている業者さんでは、3人掛けのトーゴを10万円切るぐらいで張り替えてくれるところも存在しています。

こういった業者さんは、限られてきますがざっと3社ほど。

過去記事でも紹介しましたが、今回は、この三社の中から張り替えを依頼することにしました。


張り替え前のリーンロゼ トーゴ



もっとも張り替え実績が充実しているのが埼玉のAZUMA。
数をこなしているというのは、メンテナンスを依頼する立場からするととても安心感があります。
対応もかなり親切で、張り替え実績を見ていると、生地選びなどかなりオシャレなトーゴなどをみることができます。
3人掛けの場合、往復の送料がネックになってきます。
ヤマトの家財便を使うとEランク。大体往復で3万円程度かかってしまいますから・・・




こちらは愛知県、豊橋市の高柳椅子。
オークションなどで購入したトーゴなどもしっかり張り替えますといった具合に、トーゴの張り替えに力を入れています。
価格も明朗会計。
イレギュラーな注文がなければ、表に記載されている料金で済んでしまいます。
こちらは、仕上がりの発送込み。
持込さえすれば、かなりお安く仕上げることができるはずですね。




そしてもう一社は、こちらも愛知県豊橋市のlifrex。
カラン、ブリガンタン、トーゴの張り替え実績がブログで紹介されています。
価格は、ほぼ高柳椅子と変わらず。
営業エリア内でしたら、引き取り、納品もお任せできます。
大きな家具だと、どうしても発送が難しくなります。(お任せすると、それだけお金がかかります)

我が家は、車で運んで行けなくもなかったのですが、引き取りも発送もお任せできる営業エリア内だったので、lifrex さんにお願いすることにしてみました。



正規以外で張り替えをお願いする場合、純正の生地、ウレタンは使用されません。
これは、見積もりを取らせていただいた3社共通。
でも、正規にはない、好みのカラーや生地を選べるということで、本当にお気に入りのソファを部屋に置くことができるという利点もあります。
リーンロゼのソファが欲しいけれど、メンテナンスのことなどが心配という方も、上手に業者さんを見つければその心配もなくなるでしょう。

ソファ張り替えまでの流れ

今回は、3社に問い合わせと見積もりをお願いしました。
愛知の2社は、ほぼ決まった価格で返信がありましたが(サンゲツの生地指定、決まった数パターンの生地が決まっている)、AZUMAさんは、ある程度の価格に生地のグレードによる価格差を加味した金額になります(相談しながら生地を決めるので、生地を決めないと最終的な価格が出ない)。
高柳椅子さんも、価格表には決まった生地が記載されていますが、様々なメーカーの生地カタログから張り替え生地を選ぶことができます。

AZUMAさんは、かなりきめ細やかな対応でしたが、やはりこの3社の中では少々お高め。往復の送料がかなりネックになるので、今回は見送ることにしました。
何らかの持込の方法がある方、もしくは近県の方、あるいは、生地に特別のこだわりがあるなどメンテナンス+αがある方にとって心強い存在になりそうといった印象。
張り替え実績の中にも、こんな風になったら素敵だなぁというような張り替え実績がいくつも掲載されていました。

価格、発送のことを考えると、愛知、静岡西部(浜松市あたりまで)の方なら、lifrex さんになるでしょう。
3人掛けのソファとなると、どう往復させるか考えなくていいというのはとても気が楽になります。

さて、3社から見積もりを確認後、lifrex さんに依頼を決めました。


まずは、現状をスマホのカメラで撮って、lifrexのサポートに送信します。

見積価格が返信されてきます。
張り替え、ウレタン補充、税込で10万円ちょっと。
この価格には、往復の料金、こちらから送信した写真からもっとも近いグレードの生地を使った場合の生地代も含まれていました。

ソファ張り替えの生地選び

サンゲツの生地サンプル
張り替え業社さんから届いたサンゲツの生地サンプル


さて、張り替える業者さんは選びました。
引き取りの日程の調整と並行して、生地選びを始めます。
今回発注させていただいたlifrexさんでは、サンゲツの生地の中から選ぶことになります。
いきなり生地選びといわれても・・・はっきりいって色を選ぶぐらいで何をどのように選べば良いのか基準がわかりません。


サンゲツの生地サンプル 枯山水
サンゲツの撥水加工生地 枯山水 この加工は2〜3年で効果が低下


生地選びについて気になる点は
色や質感といったもの。
そして、撥水など機能面や耐久性。
使用されている素材。
気になるのはこんなところでしょうか。

色や質感は、手帳程度のサイズで実際に使用する生地をサンプルで確かめることができるのでそれを頼りにイメージします。

せっかくデザインも気に入っているトーゴなので、カバーなどはかけたくない。でも、そうなると汚れが気になる。
だから、汚れに強そうな撥水加工の生地を考えましたが、この加工、それほど耐久性のあるものでなく、短くて1年、2〜3年で効果が落ちてくるということがわかりました(これはサンゲツのサポートでも確認済み)。
なので、短くても10年程度使用するというスパンで考えると、撥水の耐久性はそれほどアテにはなりません。

そして、高い生地が必ずしも耐久性があるというわけではないということも知りました。
高い生地というのは、天然素材を使用したものが多く、天然素材というものは、強度を出すのが難しい素材でもあるようです。
強度を出すのが難しい素材に強度を持たせようとするので、そのぶんコストもかかり生地の価格に反映されてくるとのこと。
1mで4〜5千円価格が違っていたら、トーゴ3人掛けの場合で、大体9mぶんの生地が必要になってくるので、張り替え価格がかなり変わってきます。

ちなみに生地代は、だいたい1m/3,000円が安価なもの、6,000円程度が標準的、人工スゥエードなどは1m/10,000円程度が生地の価格の目安になります。

強度の出しやすい化学繊維の方が、安価に強度を出すことが理屈上可能になってきます。
ですから、風合いという点は無視して強度という点を考えると、安価なものでも椅子用の生地として生産されたものの場合、それほど心配することはないということのようです。

このようなことがわかったので、生地は、天然素材に拘らず、汚れが目立ちにくいもの、化学繊維の中で風合いの気に入ったものということに焦点を当てて選びました。


サンゲツの生地サンプル モコフラッフィー
撥水生地と同じようにコーヒーをこぼして拭いてみました すぐ拭けば目立ちません


サンゲツの生地サンプル モコフラッフィー
生地の裏側にもコーヒーが達していました


今回使用した生地は、サンゲツのモコフラッフィーという生地。
こちらは、1m/4,500円。
それほど高価な生地ではありませんが、起毛した素材は、表面的な耐久性もあり、汚れも目立ちにくく落としやすいという特性があると担当者さんからお勧めしていただきました。

今回はサンゲツの生地から、お勧めされたモコフラッフィーの3色と撥水加工の枯山水8508のサンプルを取り寄せていただきました。
生地メーカーにはデジタルカタログがあります。
サンプル取り寄せ前に、ある程度どんなものがあるのか知っておくためにのぞいておくとよいと思います。



生地見本を送っていただいて、お勧めしていただいたモコフラッフィーUP8319 濃いめのグリーンで張り替えていただくことにしました。
ちなみに、サンプルを送ってもらう前に、あと数点候補の生地があり、1m/1,000円程度の価格差があるものも含まれていましたが、その中からどれを選んでも最終価格は変わらないとのことでした。

生地の色はこう決めた

生地の選び方はざっくりとわかりました。
カラーをどうするか?お部屋の印象を大きく左右するはずなので慎重に決めなければいけません。
この色選びが、張り替え最大の楽しみになります。

濃いめのグリーン、明るめのグリーン、張り替え前とほぼ同じ茶色系で悩みました。
よくないと言われるものは避けたいので風水もざっくり目を通してみました。
書かれている内容は、多少ページごとに違うのですが参考までに。



いくつか調べてみましたが、風水的には、革はNG。ベージュ系は無難なカラーのようでした。

茶色系にした場合、リビングの一面はレンガ風のカーテンと同じような茶色系の壁紙、家具も木製家具なので馴染みは良さそう。
グリーン系は、茶色系メインのリビングの中で目立たせることができるはずです。
きみどりで部屋の印象を明るくしたい気持ちもありましたが、ソファを主張しつつ調和が取れそうな濃いめのグリーンに決めました。

張り替えが終わって

張り替え後のトーゴ



引き取りから一ヶ月。
張り替えとウレタンの補充が終わり、我が家にトーゴが戻ってきました。
生まれ変わったトーゴ。
生地見本でも確かめていましたが、やはり実際のソファになるといい意味で印象が違っていました。

ほどよい光沢感と肌触り。浮かれてしまうぐらいによい雰囲気になりました。


張り替え後のトーゴ



張り替え後のトーゴ



張り替え後のトーゴ
底の生地はオリジナルをそのまま利用しています


張り替え後のトーゴ
ロゼのタグもそのままに


担当者さんいわく、相当なヘタリがきていたので、予想以上にウレタンの補修、補充に手間がかかったとのこと。
『これで、ほぼ新品と同じ状態です。10年は安心して使ってもらえますよ』
胸を張ってにこやかにお話ししてくださいました。

座り心地も、納得のいく仕上がり。

引き取り当日に、「このソファは、お金をかけて張り替えるだけの価値があります」という言葉を聞きましたが、まさにその通りだと感じました。

メンテナンス費用だけでそこそこのソファが買えてしまう価格には多少腰が引けましたが、これだけのものになるのならまたお願いしていいなと感じました。

これだけよい仕事をしていただいて、次にお世話になるのは早くて10年後・・・嬉しい反面、素晴らしい仕事をして下さったのにと考えると、少々寂しい気持ちになります。

もちろんせっかくメンテナンスをしていただくのだから長く使えなければ困るのですが、仕上がりの完成度が高ければ長持ちするのでそれだけ仕事の機会が減ってしまうというのもまた事実です。
職人さんたちの仕事は、そういった矛盾する部分を背負っているのだなぁと考えさせられてしまいました。

なので、この記事で宣伝しておきます。
トーゴ以外のロゼのソファ、カラン、ブリガンタンなどの張り替え実績もありますし、もちろん家具全般の修理なども全国対応で受け付けています。



「環境を大切に、ものを長く大切に使いましょう。」、何かと耳にする言葉です。そして、一製造業者として難しく考えていました。修理・リフォームは、コスト的に現在の流通価格(新品)に勝てないでしょう。

 それでも確かに「ものを大切にするお客様」がいて、そのお手伝いが出来る「職人」がいます。
 ものを大切にするお客様、愛着あるからこそ修理するお客様の目は、厳しいと覚悟しています。
 手を抜くなんて出来るわけがない、かと言っていくらでも時間・コストをかけていいわけもない。でも、その苦労の先には、自分たちの仕事を喜んでくれるお客様がちゃんといるんです。

 そうだ・・・どうせなら、職人として苦労してみよう。 喜んでもらうための苦労は、職人として臨むところ。

 職人としての再出発。その気持ちが、リフォーム部門を立ち上げさせました。




ソファの張り替えまとめ




今回、トーゴを家具修理専門の業者さんに張り替えていただきました。
正規の張り替えを経験していませんが、座り心地に遜色ありません。
価格は3人掛けで最低でも10万円〜という価格。
メンテ前は、これだけ使い込まれたものが新品同様に蘇るのか?半信半疑の部分もありましたが、しっかりした業者さんに依頼すれば見事に蘇らせてくれることがわかりました。
簡単な金額ではありませんが、どんなソファでも、気に入ったものをお手入れをしながら使い続けていく楽しみや価値、そして、我が家のために仕上げてもらえたソファという特別な満足感をじゅうぶん感じることができるはずです。

今回、メンテナンスを経験したので、以前よりロゼのソファを身近に感じられるようになりました(一人用のソファもロゼのものが欲しいなぁ)。

見積もりでお世話になった担当者様には、この場を借りてお礼をさせていただきます。ありがとうございました。


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